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地道な加工

七五三の季節になりました。
３歳女児は可愛く、５歳男児は凛々しく、７歳は華やかに。

７歳の着物は振袖の縮小版です。
髪を上げお化粧をすれば、大人顔負けの美しさ。

左は大人物の袋帯です。
時々、大人用を子供に何とか締めさせたいというご希望があります。
丈も巾も長い品ですが、さてどうしたらよいでしょうか。

加工後

結論から申し上げると、そのままでは子供が可哀そうです。
巾４センチ、長さ６０センチの違いですが、これを７歳児の背中に押し込めるのは無理があります。

となると、残された手段は解いて仕立て直しです。

写真で見ると、加工前と後でほとんど変わらない地味な作業。
双方とも八つ折りで仕上げた品ですが、左端の丸紋で比べて下さい。
丈を短く巾を狭くし、芯は入れずに締め心地が第一。
当日は変わり結びで、お嫁さんのように仕上げます。
ご両親や祖父母様の喜ぶお顔が眼に浮かび、この仕事に携わっていて良かったと思える瞬間の一つです。