はや師走。
月一度のコラムを書いていると、12ヶ月はあっという間ですね。
左の写真はアンティーク調の振袖。どうやら戦前の品物と推察されます。
今回はお孫さんの卒業袴に合わせたいとのご要望。
幸いにも生地巾はありました。
しかし今回の裄は68センチで、そのままでは柄の接続がありません。
仮縫いはしてみましたが・・・。
さて、どうしたらよいでしょうか。
コラムを御覧いただいているお客様には、答えは簡単でしょう。
“模様を足せば解決”なのです。
しかし、製作されたのは昭和10年頃、来年は平成29年です。
足す部分は狭いですが、80年の時間はかなり長く、そして広い。
そこで思い浮かぶのは、いつもの職人さんです。
私の置く高いハードルを、半分意地になりながら、しかし楽しんで越えてきます。
松の緑、白と朱の菊花、青い菊の葉と楽々クリア。
平らに置いてこれならば、仕立て上がりはまず問題ないでしょう。
紫色や紺色の無地袴に合わせたお姿が目に浮かびます。
職人さんは宝です。
御覧頂きましてありがとうございました。来年も佳い年になりますよう。
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