2017年3月のお手入れ品

仕上げ直し

一面にシワが寄った 3歳訪問着

行事が間近に迫らないと、着物の準備はなかなかできないものです。
直前になってあわてて箪笥から出す方がほとんど。

しかし、思っていた通りに保存出来ていた方はおそらく半分以下でしょう。特に式服は長く保存することが多いため、開けてびっくりということもままあります。

左の写真は、ご自分がお召しになった3歳の訪問着です。
シミはないものの、時の経過を物語る全体の見事なシワが見えます。

ご自分で直そうとアイロンと霧吹きをご用意されました。
当て布は何が良いかとのご相談です。

加工後

仕上げ直しを済ませた 3歳訪問着

四半世紀の時間はおいそれとは超越できません。
手拭いに霧を吹いても、どっこい折れは手強いです。

強く当てれば生地が光り、弱ければ折れはビクともせず。
水分を多く吹けば縮み、焦がさぬよう温度にも注意が必要です。
たとえ折れが伸びても、風合いが変わっては話にもなりません。

そこで職人さんが登場。その手にかかれば頑固な折れも消え去り、製作当時の姿に。

技術力がすべてです。華やかさが 戻りました。

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代表者   三輪 一夫

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