強い寒波もようやく去り 日差しも次第に春らしくなってきました。
今回は 昨年12月のお手入れ品の続きをお伝えしましょう。
喪服の帯と共にあったのは 紫色ちりめん製の無地紋付き着物。
叔母様からの形見の品ですが 男性には不向きな色です。
地方によっては 法要の際に 紫色の着物の上に黒喪帯を締める風習があります。言わば 法事の定番衣装。
喪帯と同様に 地色、生地とも申し分ない品物です。
しかし、叔母様の思い出が箪笥のこやしになるのは 何とも心苦しい。
さて どうしましょうか。
お部屋の隅には 仏壇がありました。
見た瞬間 座布団が思い浮かんだのです。
以前も金襴の帯の柄合わせをした 仏事用座布団をご紹介しました。
今回は着物で しかも紋が3つ。
裁ち落とす方法もありますが 手描き紋を生かす方法は何か。
色々考えた結果 紋を対角線に出すことにしました。
原寸大の型紙を作り 裁断した後 職人さんへ。
早いもので 再来週はもうお彼岸。
仏壇の前に敷いてお参りすることが 何よりのご供養になることでしょう。
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