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アンコール・振袖つなぎ

新元号決定後の最初の加工は、基本に立ち返って、最も得意とする大技をご覧に入れましょう。それは、袖を短く切った振袖の修復です。

ここ数年、お母様の振袖を直して成人式にお召しになる方が大変増えています。 解いてきれいに洗い、仕立て直せば十分ご着用になれます。

しかしながら、結婚後に訪問着として着ようと、袖を切ってしまい、後悔する方もいらっしゃるようです。
お嬢様が是非着てみたいとのご希望で、何とかなりませんかと三輪屋をお尋ねになるのです・・・何人もの方が。

加工後

残念ながら物理的には復活しません。
が、工夫を凝らせば、かえって当初より立派になることがよくあります。
そして、着用時に袖は揺らいでいるため、ほとんど分からなくなるのです。

もちろん、ただつなぐだけでは、土台無理な話です。それはお金の無駄でしょう。 元の筋を十分伸ばし、接いだ柄のゆがみを修復し、バランス良く刺繍を足す。
見る人の視線の習慣を十分推測し、身頃部分の柄との関連性も考えつつ、最適な構成を創造する。
代わりの無い品だけに緊張感を伴いますが、完成品を御覧に入れた時の喜ばれるお顔を見ると、こちらも幸せになります。