2019年7月のお手入れ品

金箔の力

訪問着の金部分の変色

梅雨は袷(あわせ)着物の大規模修復のご依頼が増える時期です。
皆さんお考えは一緒ですね。

左の写真は、極薄い水色地総花模様の訪問着です。
大胆でかなり手間をかけた染めと刺繍の割には、柄がぼやけて見えます。どうも、背景になっている黄土色がその原因かも知れません。

今回は仕立て直しの為、反物の状態に戻して洗います。
柄を引き立てるには、一体どんな作業を追加したら良いでしょうか。

加工後

金部分を除去して再度置き直した品

花の後ろに見えるくすんだ地面のような部分は 当初は金色だったと判断しました。 着物に使われる金箔は、純度により様々な種類があります。

質や保存状態によって変色する場合があり、その時は塗り重ねではなく、除去して再度の置き直しがセオリーです。

質の良い箔を使うと、当初のイメージが次第に浮かびあがります。
仕立て直した後、改めて見ると、よりシャープでダイナミックになったようです。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

Tel&Fax03-3372-0573
mail@gofukumiwaya.com
無料相談会