新年明けましておめでとうございます。早いものでお手入れ品のページも21年目を迎えました。
今年も 三輪屋の仕事の一端を ご覧頂きましょう。
悉皆(しっかい)とは、“ことごとくみな” という意味。
新年のテーマにはいささか地味かもしれませんが、大切な仕事です。
写真の表地はすわとう刺繍の訪問着、裾布は同系濃色のぼかし八掛です。
仕立て直しを承りましたが、元のままではどうも色が強く、柄が引き立たないのです。
お召しになって裾が翻った時、八掛が注目されると推測しますが、一番見てほしいのは表地の刺繍。
修業先で教わった基本は「訪問着の裾は同色」。
こうして並べてみると、上品さも漂います。
今回の判断は小さなことですが、真剣に選んだ色でした。
1年の始まりに写真1枚では、ご贔屓様にはご満足頂けないと思い
裏地ですが、華やかな柄を御覧頂きましょう。
最近、裏地の製造が減り、洒落た模様が手に入り難くなりました。
華やかな男女の立ち並ぶ姿、おそらく元禄時代の模様の写しと推察されます。
表は総絞りの模様の道行コート、裏地に凝るのが江戸好みとも言われます。
空間を生かして一幅の絵になっている裏地、これからもこのような柄を選んでいきたいと思います。
呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者 三輪 一夫
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