帯地は、柄の配置を十分設計して製織されています。
最も重視されるお太鼓、付随するたれ先、そして胴部分の前柄をいかにバランス良く出すか。
その際、大きな柄を付けると、前部分を二つ折りにした場合、約半分が隠れてしまいます。
それを避けるため、着付けの流儀に合わせて、胴に巻く前部分のみ、帯巾の左右交互につけることがあるのです。
左の写真は、普通に(右手で)締めると点線上の柄の少ない部分が前に出てしまう品(左手)ですが、さてどうしましょうか?
本来ならば太鼓に合わせて黄色い花を出したいのですが、このままでは正面でなく右脇にずれてしまいます。
それゆえ、前部分約170センチを切り出し、お太鼓の柄の中心から約90センチに前の柄が来るように左右入れ替えて接ぎました。
その結果、花の丸が良い位置に出るようになりました。
とはいうものの、仕立て上がった帯を切って平らに接ぐのは、手間とハイレベルな技術が必要です。
しかし、お客様の喜びの声を職人さんに伝えることが、この仕事が可能になるポイントだといつも思っています。
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