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祖父の黒紋付で孫の七五三

雨の続いた天候もようやく落ち着き、七五三祝いの時期を迎えました。
秋晴れには、華やかな着物姿が良く似合います。

ウェブサイトを運営していると、実に様々なご相談があります。

左の写真はお客様が撮影したものを使わせて頂いておりますが、御父上様の上質な黒羽二重紋付きの羽織と着物です。
背景からもお分かりのように、これはバリバリの大人物。

そしてご希望は、合わせて作った長襦袢とグレーの縞の袴を仕立て直し、５歳の息子さんに着せるというもの。
いやいやそのハードルは半端ない高さですが、さて・・・・・。

加工後

今回のポイントは、大きな白抜きの紋を消し、子供サイズの紋に直すことにあります。
紋は袖、胸、背中で着物５か所、羽織５か所の計１０か所もあり、黒く塗っても後で必ず浮き出しますので除去しか方法はありません。

結論は丁寧に洗って筋を消し、私が裁断して紋の無い部分で５歳児用の漆黒の着物と羽織を作り、仕上げは貼り付け紋を使うというもの。

縞の袴も産地で洗い張りして仕立て直し、余り布で袴下帯を製作。 半襦袢は胴は木綿で、絞りの背模様を生かした袖を取り付けて、立派に。
構想を練る間は緊張しましたが、無事に完成を迎えました。
めでたし目出度し。