2020年12月のお手入れ品

細部へのこだわり

袖山の黄変した汚れ

早いもので、今日からいよいよ師走
このページだけは、例年通りの静かな暮れと参りましょう。

切った振袖の繋ぎ直しは私の得意とする所ですが、袖丈を詰めて訪問着風にする加工もよく承ります。

ただ、ズバッと切り落とすだけの加工は楽ですが、配置によっては切ると柄が無くなる場合があります。

その場合は袖だけを解いて、柄をずらせて調和を取る作業になりますが、袖山が汚れている時も多いのです。
それも畳む時の手順でしょうか、左肩(左袖付けの山)が汚れやすいのですがさて・・・。

加工後

黄変のシミを除去した袖山

作業は両袖全体の丸洗い、黄変抜き補正、縫い跡の折れ筋消しの3つ。皆様のご想像よりは手間を掛けています。

折れた縫い筋も、霧吹きアイロン位で伸びるだろうと甘く見ると、後で必ず痛い目に合います。 経年による縫い目に入り込んだホコリ汚れは、なかなかしぶといものです。

平らになった状態で筋や汚れがほぼ消えれば、そこはもう8合目。 この後、表裏の釣り合った万全の仕立てを経て、完成となりました。

一年間お引き立て賜り、ありがとうございました。来年が皆様にとりまして、良い年になりますように。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

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