新年明けましておめでとうございます。早いもので令和も3年目となりました。
今回は遡って、昭和と平成の品をご覧に入れましょう
今回は、今まで携わった数多くの品の内で、記憶に残る品をご覧に入れましょう。
左の写真は、昭和40年代に作られたと思われる刺繍袋帯です。
模様は琳派の流れを汲んだ、笹にかわいい犬が描かれています。
絵画に詳しい方なら先刻ご承知でしょうが、中村芳中の作品のオマージュと思われます。
その舞台裏を申し上げると、笹は織りで、犬は手刺繍なのですが、何の違和感も無い構成となっています。
これは、関西のご大家出身の方からの部分的修理でお預かりした品です。
毛並みまで再現した芸の細かさ、当初の呉服屋さんの眼力が見事というしかありません。
1年の始まりに写真1枚では、ご贔屓様にはご満足頂けないでしょう。
そこで2枚目はちょっと本気を出して、平成に当店がお納めした品をご覧ください。
通称「熨斗目(のしめ)」と言われている、宮参り用男児着物です。
赤ちゃんに着せる訳ではなく、お宮参りで御祖母様が抱いて、前からかける「掛け着」となります
大きなぼかしの染分けに吉祥の松と菊、目出度さがあふれ出ています。
その後、男児5歳のお祝いの際には、ご体格に合わせて揚げをして、縞の袴を組み合わせて立派なお姿となりました。
ご家族が大変喜ばれ、呉服屋冥利に尽きるお仕事でした。
呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者 三輪 一夫
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