2021年3月のお手入れ品

箔落ちの補正

黒留袖光琳の鶴模様部分の箔落ち

お母様の留袖をリフォームして、一回り大きく仕立て直す加工をよく承ります。 この場合に最も大切な事は何でしょうか。

いろいろなご意見があるとは思いますが、私は、縮緬生地に強く押し付けられたアイロンによる折れ筋を如何に消すかという一点になると思います。

今回の場合は、お好きな品ゆえ何度も着用されたようで、金の箔部分が擦れ落ちていました。このままでは、縫い目は消えても、仕立て上がった時点でこの直線が見えてしまいます。

時代が経過した金箔ですが、いつもの職人さんに箔の補正を依頼しました。 約6センチ(1寸5分)とわずかな作業とは言え、さて・・・。

加工後

金の箔を補正後

撮影が拙く、模様の色が異なって見えますが、金箔部分のみ補正しています。

極端な事を言えば、仕立てた後でも直せない訳ではありません。しかし、裏地があると無いとでは手間のかかり方が段違いです。

代わりの無い大事な品物をお預かりする私のモットーは、「些細なことほど万全」にです。

無事に補正できましたが、今回、ビフォアアフターの撮影が下手すぎることを反省し、グレードアップを目指して写真のプロでもある高校時代の友人に教えを請うことにしました。

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