ご年齢や体型が似ていると、色留袖を親戚やご友人にお貸しになる方がいらっしゃいます。
着用後は、慣れない着物姿でシミを付けてしまうことを予測して、お手入れせずにそのまま返して頂くことをお薦めしています。
中途半端なシミ抜きは、取り返しのつかない事になる場合もあるからです。
写真は、汚れ方は想定内だったもののご本人が相当な回数お召しになった品で、時間の経過による模様と縁取りの刺繍の劣化が起きていました。
しかも赤いマチ針の間部分は、生地が裂けています。 大切なお品物ですので、仕立て直しと扇面地紙模様の彩色直しを致しました。
昨年度の撮影の為にまだ不調法で、多少地色が異なって見えることをお許し下さい。
元の扇の地紙の箔は、保管中の湿気による糊の劣化でしょうか、本来の色とは程遠いものになっていました。
今回、約40年ぶりの修復でしたので、金箔と刺繍で思い切った迫力のある光琳模様を再現させました。
破れた部分も裏打ちを施し、再度同じ縫い方の刺繍でカバーしています。
これでまた、次の世代に継承できる着物に復活したような気がします。
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