雨の季節になると着物の着用回数が減るのは仕方の無い事ですが、逆にお手入れの依頼が増えます。
お母様の長襦袢をお嬢様がお召しになれるよう、仕立て直しのご用命がありました。
保存も良く、普通の洗い張りを施した後に仕立てるという計画を立てたのですが、反物に戻した段階で、衿の裏側にあたる部分に口紅様のシミを発見。
着用時には見えない部分なので無視して、そのまま進めることに・・・。
しかしながら白地だけに、どうも気になって仕方がありません。大きさはほんの1センチ程度。
口紅ならば簡単に除去できると思い、職人さんの元に持ち込みました。
あに図らんや、シミは口紅ではなく、ローダミンという、和装小物に使われる染料でした。
安価で染色には重宝なのですが、色移りしやすいのにシミ抜きが難しい手間のかかる品とのこと。
長襦袢の裏側ゆえに、100%のしみ抜きは求めず、差支えない程度に仕上げました。
リフォームにはコストも考慮した、微妙なかじ取りも大切かと思います。
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