和装に御所車(ごしょぐるま)という柄があります。その昔、上つ方が乗った牛車のことです。
華やかさがあるので、振袖や袋帯によく使われています。
今回のご依頼は、その御所車が丸帯に織り出されているものですが、何が不便で困るといってお太鼓の柄が天地逆さまで長さが短いのが困るのです。
二重太鼓にするには約30センチ短く、慣れた方でも柄を上手く出すのに大汗をかく始末。
左の写真では、お太鼓は一見何の柄か分からない状態です。手軽に直す方法は無いのでしょうか。
加工途中の写真をご覧に入れます。
お太鼓にある3輪の菊の位置に注目して下さい。裁断後上下を入れ替えると一気に柄がはっきりします。厚い芯を抜き、お太鼓部分を天地して接ぎ、このあと手先部分を取り付けて自由型の作り帯を目指します。
作業としてはそれほど困難ではありませんが、重要なのは柄のバランスです。ミリ単位で調整して近景、遠景両方で引き立つように考えました。 これならどなたでも問題なくお締めになれるでしょう。
思い出の帯が、受け継いでいく帯になりました。
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