経験したことのない暑い日が続いております。 今回は急遽予定を差し替えて、涼しげな品を御覧頂きましょう。
浴衣は最近でこそプリントの品が多くなりましたが、手ぬぐいと共に以前は注染(ちゅうせん)という染め方が主流でした。 それは、綿の白生地に型紙を使って糊を置き、手早く折り返して何度もたたみ、上から染料を注いで下からポンプで吸い取る方法です。
両面が染まるので裏返しが効き、写真のように折れ目で左右対称に柄が配置されるのが特徴ですが、文字の場合は裏返る事になります。
世間では端から順に裁断して仕立てるのが普通、私は四つ葉のクローバーの文字風の柄がどうも気になりますがさて・・・。
この浴衣は1メートル程度の折り返しでしたので、まず両袖を振り分けに取りました。
思い起こせば、修業先の主人夫妻はこの時期になると浴衣の裁ち合わせをよくやっていました。傍で見ていた私は今、その真似をしているわけですが、主人なら次は上前と胸の柄を決めるに違いありません。
左胸の柄は上から15センチ(4寸)が格好が良く、繰り越しをするとその分だけ柄が上がるので、今回はその分下げて衿肩明きを切りましょう。衿はこんな感じでしょうか。
表裏を何度も見比べて検討した結果、どうやら左胸部分はバランス良く出来そうです。この浴衣、実は女性のお客様がお相撲さんから頂いた品だそうで、柄に四股名が描かれています。
ヒントは袖の柄で、胸の字は裏返しですね。
白の効いた柄は、いつ見ても涼しげです。
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