写真は、お宮参りの際に赤ちゃんを抱いたお祖母様が掛ける一つ身お祝い着です。一つ身というのは、身頃が一反の巾で出来ていて、背縫いがありません。
普通、白生地で同寸法の下着が重ねてあり、衿に縫いつけた共紐をお祖母様の首の後ろで結び、写真撮影になります。 名前は着物ですが、着るものではなく赤ちゃんに掛ける品の為、一度きりなら勿体ないからレンタルでという声もよく聞きます。
古くから長く活用するのが着物の特色だったはずなのに、一度きりという、そんな不経済なことが今まで続くわけもありません。
さて、その真相は。
その答えは、肩と腰に揚げ(タック)を施し、3歳の七五三祝い着として着ることにあります。
揚げる場合も、ただメジャーで計るのは誤差が大きく、当店では揚げをしたサンプルを着て頂き、採寸しています。
格好のもので写真に残りますから、裄が短いのも不可ですし、身丈が長いのも神社で転ぶ原因となります。
兵児帯を巻いて、被布(袖なしベスト)を着れば、一式の完成です。白の下着は襦袢の代用ですので、刺繍の可愛い半衿を掛けます。次の女の子には、揚げを下せばまた掛け着に戻ります。 男児の場合も同様で、5歳で揚げて袴を付けます。
昔の人の知恵と工夫には、頭が下がりますね。
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