呉服屋を長く続けていると、親子2代、3代にわたってお出入りすることも珍しくありません。 信用をつないでいくには、価格と同等以上の品質とサービスが欠かせないのは、どんな業種でもきっと同じでしょう。
写真は、約35年前に父と共に図案から起こして製作した七五三の7歳祝い着物です。そのお嬢様がご結婚されて生まれた女の子が7歳になり、ご自分の祝い着を着せようとしたのですが、御手が長く裄が足りません。
6㎝足りないので肩揚げのタック4㎝×2=8㎝から出せば、揚げもまだ2㎝残り一石二鳥ですが、さて・・・・・。
「子供物は格好もの」と父親は良く言っていました。肩揚げと腰揚げで可愛らしさを強調するのは良いアイディアです。
そして、七五三着物の採寸は、メジャーを使わずサンプル着物を着て計るのが確実です。 しかしながら、揚げ(タック)が2センチ以下だと、袖の重さに引っ張られてタックが平らにならず立ってしまうのです。
ただ、この着物は柄も合わせてある上、大人物のように肩と袖の間には余裕がありません。では、広げる所はいったい何処なのでしょう?
その答えは※のある手首側の縫い込みです。巾を広げた為、矢印の花が大きく出ている所をご覧ください。もちろん、時間を超えた完璧な筋消しが必要なのは言うまでもありませんが。
呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
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