長い間和服の世界に関わってきますと、時々思いがけないご用命を受けます。
左の写真はお客様(男性)のお母様の嫁入り道具のミシン。昭和20年代、当時ミシンの販売店だったご実家から嫁がれた時の品物です。
早くに天に召された為、ご家族は大切に保管されてきました。見た通り手入れが行き届きピカピカで、普通に縫えます。
今までは木綿の布が掛けてあったようですが、今回、洒落たものでとのご希望です。
私も初めての経験です。見た瞬間、着物の袖の応用で何とかなるのではないかと思いましたが、果たしてその結末は?
色無地では面白くありませんし、割付柄でも今一つ。
全てお任せなので責任は重大です。柄選びにも悩みました。 まずは使わなくなった正絹胴裏でおおよその形を仮縫いしてサイズの確認、全体が丸みをおびている為、左右にスリットが必要です。
大きな縞風の正絹唐草小紋を横に2枚使い、両角は袖のように丸みを付け、裏地はクリーム色の袖裏風で完成しました。
大変喜ばれて呉服屋冥利に尽きましたが、私にとっても面白い仕事でした。そしてこの続編は再来月あたりに。
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