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遠景とバランス

以前も採り上げました振袖の袖丈直し。
製作時に袖を短くして訪問着に直すことを想定してあります。

そのまま切れば袖丈はおおよそ現在の半分ですので、柄はすっかり無くなります。

裾とのコラボレーションがありますので、お客様は袖を解いて伸ばし、再度作り直す事をご希望です。

これまではアップで柄をご覧に入れておりましたが、今回は衣桁（いこう）を使ってみましょう。

加工後

袖の裁断を考える時、バランスを最も重視しているのはいつもと同じです。

しかしながら、着物は離れた視線も考慮する必要があるのです。この場合で言えば、梅の散り具合と袖の中で紺色の占める面積です。

一度では決めず、遠くと近くで確認を繰り返すことに時間をかけて
袖と裾の調和が取れた訪問着が完成しました。

これで当分の間、あちこちで活躍できることでしょう。
お客様に喜んで頂けることが、私たちにとっても無上の喜びです。