心配になるような暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今月は夏休みを頂きまして リフォームのページは休ませて頂きます。
ある時、お稽古事の師匠をなさっている方から、「お弟子さんの色無地がダブダブで、衿が全く決まらないので相談に乗ってほしい」との連絡がありました。
お目に掛かると比較的小柄なお嬢さんでしたが、着物を肩から掛けて頂いただけで、まず身丈が長すぎることに気づき、前を合わせると全体で4㎝程身巾が広いことがわかりました。
基本的に着丈はご身長の長さ位が丁度よく、頭の部分の長さ約30センチが「お端折り(おはしょり)」の分となるわけですが、すでに6㎝程長いのです。
加えて腰部分の縫い込み(内揚げ)は、前が2寸8分(タックですので往復21センチ)後に至っては3寸5分(往復26センチ)ですので、何をか言わんやです。
同様に衿の丈も標準より8寸(30センチ)、おくみ丈4寸5分(17㎝)これらすべてが縫い込んでありました。
また、上半身の胴裏(白)は海外製の薄い生地を化学糊で分厚く見せているだけの品でしたので、逆にこれですっきり着れたら不思議と言うような状態でした。
地色は薄色でとても上品でしたが、ご丁寧に著名なガード加工が施してあるので、今後の色揚げは相当ハードルが高いように感じました。
こうして見ると、有名店で一見万全を尽くしてあるように見えて、実は着心地や将来の事など何も考えていないのではないかと。
意味の無い多すぎる縫い込みだけを見ても、着た姿が崩れて決まらないのは当たり前の話です。顧客の事など眼中にないふかふかの着物を見て、反面教師にしなければいけないと、つくづく思いました。
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