r@^ 2024年10月のお手入れ品|着物のお手入れと直し&着物リフォームの相談室/東京・呉服三輪屋

2024年10月のお手入れ品

気持ちが分かる輪シミ

紫無地の擦衿汚れれた

空前の猛暑もようやく通り過ぎたようです。そこで今回は秋らしいこっくりとした色を見て頂きましょう。

紫色無地着物の衿に、擦れた輪シミと化粧汚れが見えています。そして、食べこぼしを擦り落としたくなるお気持ちも十分理解できます。

付いて間もないシミならば何とかなりますが、だいぶ時間が経過しています。増して縮緬は擦れが出やすく、しみ抜きのハードルが結構高いのです。

あまり予算を掛けたくないが、残って見えるのも困るとのご意向、さて名案はあるでしょうか。

加工後

掛衿と地衿を切り替え、汚れを隠す

職人さんとも相談した結果、しみ抜きは回避して衿を一旦外すことにしました。

ご承知のように着物の衿は二重構造になっています。長さ5尺4寸(約2m)の地衿の中央に2尺6寸(約1m)の掛け衿(=衿カバー)が掛けてあるのです。

そこで、地衿を1m分切り取って掛け衿とし、汚れた衿を下前(写真→)部分に入れ替える作業をしました。
着物の衿は重なる部分が多いので隠し易いのですが、今回は掛け衿の汚れが地衿まで通っていたので、その除去と補正もしてあります。
お納めしたところ、仕上がりをたいへん喜んで頂きました。

 

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

Tel&Fax03-3372-0573
mail@gofukumiwaya.com
無料相談会