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空前の猛暑もようやく通り過ぎたようです。そこで今回は秋らしいこっくりとした色を見て頂きましょう。
紫色無地着物の衿に、擦れた輪シミと化粧汚れが見えています。そして、食べこぼしを擦り落としたくなるお気持ちも十分理解できます。
付いて間もないシミならば何とかなりますが、だいぶ時間が経過しています。増して縮緬は擦れが出やすく、しみ抜きのハードルが結構高いのです。
あまり予算を掛けたくないが、残って見えるのも困るとのご意向、さて名案はあるでしょうか。
職人さんとも相談した結果、しみ抜きは回避して衿を一旦外すことにしました。
ご承知のように着物の衿は二重構造になっています。長さ5尺4寸(約2m)の地衿の中央に2尺6寸(約1m)の掛け衿(=衿カバー)が掛けてあるのです。
そこで、地衿を1m分切り取って掛け衿とし、汚れた衿を下前(写真→)部分に入れ替える作業をしました。
着物の衿は重なる部分が多いので隠し易いのですが、今回は掛け衿の汚れが地衿まで通っていたので、その除去と補正もしてあります。
お納めしたところ、仕上がりをたいへん喜んで頂きました。
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