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2025年8月のお手入れ品

一芸が身に付くまで

 記録的な暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今月は夏休みを頂きまして リフォームのページは休ませて頂きます。

 先日、呉服店での修業時代の先輩とお話をする機会がありました。この秋に、呉服業に従事して50周年の記念催事をされるとのことでした。 その後、ふと我が身を振り返ってみると私は2年後輩ですから48年、思えば長く続けてきたものです。

 ところで、都市伝説(?)に、「一芸を身につけてあるレベルまでたどり着くには1万時間が必要だ」というものがあります。 1日7時間として週6日取り組んでも年間2100時間ですから、ざっと計算しても真剣に5年は続けないと無理ということになります。

 思い起こせば自分の修業時代の勤務形態は今と全く異なり、休みは月に3日で一日当り約10時間の勤務で、盆暮れ休みはそれぞれ1週間でした。 つまり年間310日の出勤。在籍させてもらったのは5年4ヶ月でしたからおおよそ16300時間、視覚触覚を含めて着物の知識や情報をまるでシャワーのように浴び続けていたわけです。 体力が持たなかったり、メンタルをやられた後輩が消えていく度に、店のトイレ掃除に逆戻りという住み込み生活が丸2年あったのも懐かしい思い出です。

 私が幸運だったのは、癖のない正統派、きものの王道を行く師匠に教わったことでした。だからこそこうして今でも皆様にお引き立て頂けているといつも感じています。 私は小さいときから多趣味で楽しい毎日でしたが、器用貧乏で何一つモノにならない日々を送ってきました。今でも時折夢に出てくる恩人ご夫妻に仕込まれた呉服業を除いては。

呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者   三輪 一夫

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