暑い日が続きますので、今回は涼しげな帯をご覧に入れましょう。
写真はデリケートな繻子地の白地若松模様袋帯に付いた、藍色着物の染料によるシミ部分です。
生地に光沢があるため、単衣に映える帯なのですが、その分表面が傷つきやすく、染み抜きがとても困難なのです。
体温の熱、単衣の汗、(帯枕の)擦れの3つが揃うと起こる現象、さて何処まで取れるでしょうか。
今回は敢えて100パーセントでない加工をお目に掛けます。
ご覧の通り、何となくモヤモヤしています。屈指の腕を持つ職人さんは決して満足していませんが、擦れで繊維に捻じ込まれた染料は容易に抜けないのです。
生地の光沢は実に繊細で、強くブラシを掛けると表面が削れて、斜めから見たときに陰りが見えるため、慎重な作業が欠かせません。
昔から言う「あちらを立てればこちらが立たず」染料の除去と生地表面の両にらみという、大変難しい作業でした。
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