この仕事の面白さは、ひょんなことからの繋がりにあります。
ある時、ネットをご覧になった方から「急逝した母親の通夜に昔作ってもらった喪服を着たいが、身巾が全く合わないので何とかならないか」というご依頼がありました。
電話があったのが日曜日の午後で、葬儀は金曜日とのこと。できる限りはご要望に添いたいのですが、こればかりは職人さん次第。駅前で受け取りその足で依頼へ。 結局、水曜夜に再び駅でお渡しして事なきを得ました
今回のご依頼はその方の妹様からで、亡き母も覚えているはずの宮参り着物を孫の3歳の七五三に着せたいが、染み抜きを他店で断られたというお話でした。うーん。
何が唸るといって、この水色部分に出ている茶色いシミ(カビ)が曲者なのです。つまり茶色シミと一緒に水色も抜け落ちてしまいますが、再現が本当に難しいのです。 しかも裏地がポリエステルとなれば、職人さんに断られるのが普通です。
ところで、宮参りの掛け着は赤ちゃんを抱いた御祖母様が肩から掛けるものですが、3歳の七五三で肩、腰揚げをして長さを調節して着ると、とても可愛いらしくなります。
そして、終わった後に揚げを下ろせば、再び宮参りに使うことができる優れものなのです。
今回、表地は職人さんの執念と気力できれいになりました。しかしまだ難物が控えていました。
二枚重ねの化繊製下着の顛末は、また来月。
呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
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