2025年12月のお手入れ品

宮参り着物の活用-下着編

全体に変色したポリエステル製の下着

お宮参り掛け着は全く同じ寸法の無地の下着を重ねて使います。材質はポリエステルというのがよくあるパターンで、3歳では、刺繍の半衿を掛けて長襦袢として使います。

しかしながら、往々にしてポリエステルが湿気でカビだらけになるというのもよくある話なのです。今回はピンク色の退色も激しいようで、御祝着の下に重ねる気持ちが起こりません。

また、ポリエステルの茶色シミは抜けません。何故なら染み抜き剤で溶けるからなのです。

正絹生地で下着を作り直すのも大変ですし、再度ポリで作るのも能がありません。さて、どうしたものでしょうか。

加工後

茶色シミを除去した宮参り掛け着。

ご予算等とも重ね合わせて、名案が浮かびました。

胴はさらし(木綿)の半襦袢で、刺繍の可愛いい半衿を掛け、正絹ピンク生地で袖を作り、元からあった赤い付け袖を再度取り付けて完成。胴には付け紐がのぞいています。

これで全体も軽くなり、万全でしょう。

後日、お客様からはお礼のお手紙まで頂き、呉服屋冥利に尽きる仕事でした。

本年もご覧頂きましてありがとうございました。
皆様、どうか良い年をお迎え下さい。

 

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