締めにくい帯の代表格と言われて久しい丸帯。
普通の帯巾の倍に織った生地を真半分に折り、袋帯風に仕立ててあります。
お太鼓の裏側にも柄があるため、それはそれは豪華絢爛。しかし、重い上に短く柄が逆さまで締め方が特殊な為、着物好きな方には悩みの種なのです。
今年1月「帯の究極」で取り上げたのは、裏地を新しく付けるものでした。今回の依頼は、丸帯のままで丈を長くした上に、柄合わせを袋帯のようにしてほしいというもの。
お太鼓の檜扇は天地が逆です。これはなかなか手ごわいぞ!
はて、何が手ごわいか・・・、それは、片側が輪になっている(続いている)事にあります。
お太鼓付近で上下を切って天地をひっくり返し、元は裏側にあった柄をたれ先の七宝模様に二重太鼓で合わせ、なおかつお腹の柄も正面付近に出るようにする。
その上、下巻きの部分に同じ色の生地を表裏接ぐという長い道程。結局のところ、裁ち合わせが全てです。
そのポイントは試行錯誤と勘だけ、つまりパズルと全く同じです。代わりのものなどあるはずもなく、裁断には大変なプレッシャーがあります。
しかし右の写真のように出来上がれば全ては吹き飛び、お客様の笑顔が浮かんで来るのです。
他では味わえない喜びですね。
呉服三輪屋 〒164-0012 東京都中野区本町2-54-17
代表者 三輪 一夫
Tel&Fax03-3372-0573
mail@gofukumiwaya.com