地模様の大きいこの布は、一体何でしょうか。これは、試験染めしたコートの布地です。
木枯らしが吹かなくても、12月の着物姿にはコートが付きもので、お若い時には手堅い朱系に染める方が多いようです。
ところが、子育て等のブランクで10年15年はあっという間に経過。
異口同音に朱色の派手さが少しづつ気になってくるとおっしゃいます。
そして、「少し地味にしてもらえませんか」というご用命もポピュラー。
経験を積むほど、染物は水物という言葉が実感として湧いてきますので、試してみるのが安心なのです。
口で言うのは簡単ですが、これはもうオーダーメード(=誂え)の世界です。なさった経験の無い方にとっては心配のかたまり。 もちろん、本番は試験染めとは微妙に異なりますが、そこに拘っていては一歩も前に進みません。
ところが、このひと手間を受けてもらえる染屋さんは、なかなかいないのです。 私は幸いにも懇意にしてもらっており、500キロの彼方ながら色合わせも上手です。 悩みの種は、染まってしまうと元の地色が分からなくなることでしょうか(笑)
お客様のためにも、元の袖の余分を残しておきました。こうして重ねてみると、加工の具合が分かると思います。
本年もご覧いただきまして、ありがとうございました。
来年こそは天災の少ない、良い年になりますよう。
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