2020年10月のお手入れ品

箔の光は七難隠す

黒留袖青海波に霞

遡ること今から20年前、1999年12月にお手入れ品のページが生まれました。記念すべきテーマは「留袖のグレードアップ」
小柄なお母様の黒留袖のリフォームに際し、金の霞をまいて柄の高さを上げるという加工でした。

回を重ねて251回目は、違う理由での金箔散らしを施します。

青海波に霞の堂々とした黒留袖は、お母様の大切なお品物。今回お嬢様が仕立て直してお召しになることに。
しかしながら、保存中の湿気とカビが原因で、黒の部分がムラに変色しています。

カビを洗い落して柄を伏せ、黒を染め直せば完璧ですが、とても時間が足りません。さて、どうしましょうか。

加工後

黒留袖箔加工後

着物は 衣桁(いこう=大きな着物掛け)に掛けた形ではなく身にまとうものなので、錯覚を生かすことができます。
結論から申し上げると、洗った後に箔を散らした部分が変色の重い部分です。

黒留袖は金色、白色系の帯を合わせる為、これで帯とのつながりもできます。

お召しになった方にお願いしたいのは、ご着用後に生乾きで箪笥にしまわないことです。
絹は乾燥が大好きなので。

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